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海外大学を出るとその後の人生は安泰?【メリットとデメリット】

アメリカの大学を卒業してから、もう10年以上が経ちました。

アメリカの大学と言っても、ピンからキリまでありますので、私の場合は、特に有名トップクラスの大学という訳ではなく、普通の州立大学を卒業したというまで。それでも、挑戦してよかったと思う理由があります。しかし、一方でそれによって起こる苦悩もありました。今回はわたしの個人的な視点で、それぞれいくつか紹介したいと思います。

もしも今、海外の大学を希望しているけれど迷っている高校生、または編入を希望している大学生がいるのなら、是非一歩踏み出してほしいと心から思う次第です。とはいえ、それなりの金額と苦労は伴うので、今回はそれでも海外の大学を選ぶ価値があるかどうか、考える材料として、参考になるとうれしいです。

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はじめに、大前提として

どこの世界でも、学位を得たからと言って、その後の人生が生涯安泰という事はまず無いでしょう。これは私が過去の私にビンタして伝えたいことの中の一つでもあります、笑。

しかもこれからの世界は学位以上に、実践した事、経験の豊かさが尊重されていくようになります。何事もアイディアと行動が全てになっていくのが今後の我々の未来。

● 誰かがそう言っていたからじゃなくて、自分の頭でよく考える

● 論理的思考力を持つ

● 周りの雰囲気に影響されて、自分が理解したいように世の中を理解するのではなく、事実に基づいた正しい理解と判断をする

どこの国の大学へ行っても、今後これらの思考力を備えることは、これからの世界を支える若き学生たちにとって必須。

しかし、それらを身につける為の一つの手段として、日本以外の国へ留学する選択肢は”あり”なのではないかと思うのです。

メリットについて

メリット

・それまでの自分から、圧倒的に視野が広がる

・日本人であることについて、公平な視点が備わる

・「どこ大卒?」のマウント対象にならない自由な存在になれる

それまでの自分から、圧倒的に視野が広がる

私が卒業したのはアメリカの大学になりますので、アメリカと日本の違いの話にもなってきますが、日本とアメリカでは、考え方が真逆と言っていいほど違います。それまでの人生で得てきたものとは全く逆の世界がそこにあると言って過言ではないと思います。

例えば、アメリカの大学には、高校卒業したての普通の若者たちから、社会人、リタイヤ後の高齢の方々まで、幅広い年齢の方が在籍しています。もちろん多民族、多国籍で、様々な価値観の人々と一緒に授業を受けてきました。日本では、大学は高校生が卒業した後の次のステップというのが一般的。一方でアメリカでは、何歳になっても、誰でも勉強したい人が勉強しに来る場所でした。

【様々な立場から、様々な価値観の人が存在する】

よく一緒に勉強をしていた友人の中に、イラク出身の女性がいました。当時はブッシュ政権下でのイラク戦争真っ只中、彼女がアメリカに留学できていることも不思議ではありましたが、その子は他のアメリカ人と同様にドミトリーに住んでいました。2人部屋のルームメイトはアメリカ人、仲はあまり良くないとのことでしたが、一度部屋にお邪魔したことがありました。そこで驚いたのは、横の長さ1メートルほどのイラク国旗を壁一面に張り付けて飾っていたのを見た時でした。

私は驚いたものの、何も言いませんでした。後からよくよく考えてみると、彼女がそうする気持ちはよく分かります。祖国を想う気持ちに誤りなどありません。たとえ敵国にいたとしても、その深い愛を臆せずに表現する勇気は素晴らしい。もしもそれが自分だったとしたら、同じことができたかどうか分かりません。

同盟国である日本とアメリカ、若かった私にとっては、一見こちら側がいつも正義のように思えていました。しかしそれはメディアによる全くの洗脳。あらゆる立場で物事を捉えなくては、真実は見えてこないことを学びました。自分たちにとっての常識だけが真実ではないということを身を持って知り、少しずつ、視野を広げていきました。

【勉強とは一生し続けるもの】

人生100年時代に突入していく今、大人になっても学び続けることの必要性が言われています。日本人はとても知的な民族ですが、一方で世界的な割合でみると、学校を卒業してもなお勉強を継続する人の率は低いのが現状です。

参考:

日本の成人の「生涯学習」率は先進国で最低
現代社会は変化のスピードが速い。学生時代に学校で学んだ知識や技術はすぐに時代遅...

何歳になっても新しく何かを学ぶこと、挑戦することは人生を豊かにする素晴らしいこと。高齢化社会が進むにつれて、今でこそ少しづつ様々な側面において年齢差別が緩和されてきた日本ですが、社会的に見てまだまだ年齢によって人の能力やポテンシャルを計る傾向は非常に強いと感じます。

アメリカの大学では、老若男女問わず同じクラスで授業を受け、お互いの意見を交わし、一緒に宿題をしたり、プロジェクトを進めたりします。それが当たり前のことで、それについて珍しいという事はありませんでした。様々な年齢層と一緒に勉強するというシンプルな体験を繰り返しただけでしたが、それによって「学習とは生涯し続けるもの」であると、深く身に刻んだのでした。

大学卒業後の話にはなってしまいますが、私が最初にフルタイムの正社員として勤めた航空会社の、新入社員の同期は、65歳の女性と58歳の男性でした。3人で頑張ってトレーニングを受けた事をよく覚えています。

この”勉強は一生し続けるものである”という価値観は、今でも私を救ってくれます。きっとこれから何歳になっても、”今”から始める勇気を与えてくれるでしょう。

日本人であることについて、公平な視点が備わる

アメリカ映画が大好きだった私、「どんなに進歩的で素敵な国なんだろう?」と心を弾ませて日本を旅立ちました。しかし、留学して直ぐに衝撃を受けたことは、貧しい生活をしているアメリカ国民が圧倒的に多かったことです。日本の中流層に近い家庭は、割合的にとても少ないのではないかと感じました。日本は裕福と言われますが、アメリカとの比較においても尚、それが顕著であることに大変驚いたものです。

それに、日本のメディアばかり観て生活していると、アメリカと日本は政治的にはもちろん、国民との間でも”仲良し”のような気分になります。しかし、当然ではありますが、普通のアメリカ国民は、日本の事などほとんど気にしていません。一部のオタクだけでしょう。太平洋戦争中に原子力爆弾を日本に投下した事すら教育されていないので、そんな歴史を知る人もほんの一握り。アジア人、ましてや英語を話さない外国人など、眼中に無いのが普通です。日本人、日本という国の存在が、他国においてどの程度のものなのかは、実際に日本を出てみないと分からないものだと思うのです。

また、海外において日本人として生活していると、どうしても、日本の代表になる時があります。この日本人の代表として物事をどう考え、発言するか、そこで問われた質問に答えるという経験は、とても知的なものだと思います。普段の生活ならまだしも、アカデミックの場でそれを問われることは、自分にとっても、他の学生たちにとっても意味深いものとなります。

これらを踏まえて、本当の意味で日本を客観的に見て、その良さ、悪さについて知るには、母国を離れて生活し、そこに住む人の言語を理解するのが最良だと考えます。よく日本に住んでいながら日本語を学ぼうとしない英語圏の国の人がいますが、正直かなり損をしていると感じてしまう時があります。なぜなら、言語を知る事、会話を交わすことこそが、その国の文化や思想を本当の意味で理解する唯一の手段だと思うからです。そうすることで改めて自分の母国の素晴らしさを発見したり、短所を発見したりできます。比較からでないと、分からない事実は多く存在するのではないでしょうか。

「どこ大卒?」のマウント対象にならない自由な存在になれる

日本の企業に就職すると、入社してからも出身大学がどこか、よく聞かれます。私は全く興味が無かったので知らなかったのですが、それで階級判断みたいなことをしているのだそうです。

あたり前の話ですが、人が成功するかしないか、それは学歴と比例しません。それにこれからの社会はますますアイディアや実経験次第、学歴で人を判断することは、そもそもオワコンです。しかし、日本ではそんな学歴社会がまだまだ継続中。それをスルーするのに、海外大卒はひょっとすると便利かもしれません。なぜなら、日本の大学へ行くことでは経験できない努力や経験、孤独を味わうことになる為、比較できない潜在的価値があると思うからです。

デメリットについて

デメリット

・日本に帰ってから社会に適応するのに苦労する…かも

・学生を終えて帰ってきただけでは英語も日本語も中途半端になりがち

・話す相手によっては、留学経験や英語について口にすると嫌味だと言われる

日本に帰ってから社会に適応するのに苦労する…かも

”逆カルチャーショック”とはよく言われる言葉ですが、留学生活から戻り、母国日本で生活をし始めてから、改めてその文化的違いに驚くことがいくつもありました。

たとえば、日本では会社内での上下関係が厳しい。「○○課長」、「○○部長」など肩書で相手を呼ばなくてはならないとか、偉いとされる人には気を使って物事を言わなくてはならないとか、会議でも飲み会でも上座席を譲り、下座席に座らなくてはならないとか…。

その他にも議論の進め方や考え方の違いなどなど、ただ単に自分が若かった為に経験不足だったところも多々ありますが、なにしろ留学先はアメリカだったので、物事の伝え方もストレートになってしまいがちでした。

つまり、日本社会に上手く適応しようと思うと、帰国後も苦労します。存在が浮いてしまう恐れもありますので、徐々に慣れていきましょう。笑

学生を終えて帰ってきただけでは英語も日本語も中途半端になりがち

日本でもそうですが、大学生活を終えたばかりの学生と会話をするのと、社会人として少なくとも5年経った人と会話をするのとでは、語彙力や話の中身に差が出てしまうことが多いと思います。それは海外留学後でも同じことで、つまり”学生言葉”のような英語を大学で身につけてきただけでは、実社会で大人同士の会話に必要な語彙力が身についていないことも多いです。

「英語ペラペラ」という言葉が日本にはありますが、英語が流暢とは言えども、英語が分かる人にとっては、その”ペラペラ”がどれほどのレベルか、どれほど中身のある発言ができるかが重要になります。海外大学を卒業したとはいえ、英語学習は継続することが必要です。

加えて、それまで英語浸けで頑張ってきた生活の後、日本に帰って来る選択をし、しかも日本の企業に入社すると、今度は日本語で敬語を使って会話をしなくてはなりません。たとえ日本の大学を卒業した学生達にとっても、社会人として慣れていくのはとても大変な事。帰国したばかりだった私は、まわりの同年代の女性たちのように上手く敬語が話せず、電話対応がとても苦手で、恥をかきながら、慣れるまで苦労しました。ただでさえ、他の社員とは雰囲気が違うせいか、浮いてしまっている感じだったので、目をつけられて厳しく注意されました。母国語なのに上手く話せないというのはとても辛い経験でした。

話す相手によっては、留学経験や英語について口にすると嫌味だと言われる

海外留学経験者、またはその理解のある人にとっては、単純に常識だったり、お互いに共感出来る話でも、日本においてその経験が全く無い人、理解が無い人には、少し海外の話をしただけでも”外国かぶれ”、”調子に乗っている”、または”嫌味っぽい”と遠回しに言われることがありました。

それはもちろん話し手の程度にもよりますが、「え?そんなことが気になるの?」と思ってしまうようなことでも言われる時がありました。今では留学していたような雰囲気を出さないように過ごしていますが、嫌味のつもり無く、全く無意識のレベルで言っているようなことでも、引っかかる人には引っかかるようです。

第二言語を使って学位を得ることは容易なことではありません。それまで努力をして頑張って来ても、そう言われて一時は自己否定に陥ったこともありました。

しかし、そんな理解のない他人を気にして本来の自分を隠す必要はないのです。堂々としていて全く問題ないと、今ではもちろんそう思っています。なぜなら、全ての経験を含め、それが紛れもない自分自身だからです。人は経験によって変化し、作られていくもの。経験によって個性が違うのは当然のこと。ただ、多様性を認めることが苦手な社会においては、こういったことも起こりうるでしょう。おすすめとしては、自分とバックグラウンドが似ている人が多い職場で働くのが良いと思います。

おわりに

人生は誰が何と言おうと、チャレンジした者勝ちです。グローバル人材になるためには、やはり留学はお勧めです。行ってみないと分からない情報と世界があります。もしもチャンスがあるなら、活かさない理由はないのでは?

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