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精神疾患は毎日の食事の栄養バランスを整えることで回復させていくことができる【オーソモレキュラー栄養療法】

こんにちは、ゆみきーちです (。・ω・)ノ゙

今回は日々の食事が人のメンタルに多大な影響を与えているという事実について知ってもらうための記事を書きました。

「精神疾患は毎日の食事の栄養バランスを整えることで回復させていくことができる」これは私の実体験であり、信念です。

精神疾患に悩む人、あるいはその家族へ、まずはとにかく知って欲しい、食事と精神の健康の関連性について、少しでも参考になると嬉しいです。

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はじめに

日本ではなぜか、精神医学と栄養学の関連付けがまだまだ常識として定着しておらず、「毎日の食生活が人の精神状態を左右するなんて考えられない、非科学的だ」と言う人をたくさん目にしてきました。しかし、日々の食事が人の精神状態を左右することはもはや常識であり、当然ながら科学的な結論です。

もちろん、先天的または遺伝的な精神疾患、過度なストレスによって起こった重度のものなど、全ての精神疾患が必ずしも食事によって治癒できるわけではないかもしれません。また、現代の薬を使った治療について否定するつもりも全くありません、薬物療法および精神療法は非常に重要な役割を担っています(※治療の際は必ず専門医からの指導を受けてください)。一方で食事療法は、十分な休養を取り、心身の環境整備を整えつつ、治癒力を最大限に高めるために積極的に取り入れるべきと考えています。

伝えたいのは、脳の健康を守る事や、自律神経のバランスを保つ事に、日々の食事の栄養バランス、毎日何を食べているかは、大いに関係があります。脳内で分泌される脳内ケミカル、例えば幸福感を作ると言われるセロトニン(夜になると眠くなる作用を持つメラトニンに変わる)、喜びや興奮状態、集中力を作るドーパミンなど、これら神経伝達物質が腸内で作られて脳に行き届いている事実は、まだ多くの人が知らない常識なのかもしれません。腸内細菌の量やその質によって、それら神経伝達物質の分泌量が左右されると現代医学では考えられています。

多くの人はなぜか「体」と「精神(メンタル)」を分けて考えがちです。脳機能を健全に動かすためにも、冴えた最良の状態を保つためにも、日々栄養バランスの良い食事を摂ることは必要不可欠です。もちろん、回復には時間がかかるでしょう。しかし、続ける事で、本来の自分に戻るための確実なステップになります。

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精神医療において栄養を摂ることは重要なこと

The surprisingly dramatic role of nutrition in mental health by Julia Rucklidge, PHD at TEDxChristchurch

このTEDx Talkは2014年にニュージーランドのクライストチャーチでローカルに行われたもの。臨床心理学者であるジュリア・ラックリッジ氏によるこのスピーチは、彼女が行ったものも含む科学的リサーチに基づき、精神医学における「栄養」の重要性について説いています。

下記にこのスピーチの要点を抜粋しました。(※全てを翻訳するとかなり長くなってしまうので…)

◆摂取する栄養を最適化することは、精神疾患を予防、治療、減らす為の安全で科学的な方法です。栄養を摂取することは重要なこと。栄養素の欠乏は精神疾患の進行を引き起こす、深刻な危険因子です。

◆精神疾患の患者はグローバルに年々増えています。薬を使った治療は事実効果を発揮し、人々の命を救っています。それら全てを否定するつもりはありませんが、本当に効果的であるならば、この患者数は年々減っていくべきではないのでしょうか。現状の薬物治療は短期的には効果が高いが、長期的に効果が持続しない、治療前と同様の状態に戻ることができない、または病状が長期化、治療前よりも悪化するケースもあります。

◆当時の臨床心理士としての私の知識では、栄養は些細な効果しか発揮しない、薬こそが唯一重大な精神疾患に対して効果のあるものだと教育されてきました。しかし、実際に栄養素を用いて回復させ、健康な状態を維持することができている事例を知ったことをきっかけに、栄養学を学ぶことを決意しました。

◆大人のADHD患者を対象に、8週間の間、ミネラルやビタミン、微量栄養素を使用した患者と、プラシーボを使った患者の病状を比較する調査を行いました。British Journal of psychiatryに掲載されたこの実験は、結果として、前者である栄養素を補給したグループは、プラシーボとの比較に対し、2倍の人数が鬱症状の減少、多動性や衝動性が診療が必要のない普通のレベルに減るなどの効果をみせました。そして一年後、それら栄養素を摂り続けたグループでは引き続き良い状態を保ち、更に改善させていました。しかし、一方で栄養素を摂り続けることを止めた患者、治療を薬に変えた患者については病状を悪化させる結果となりました。

ここでお伝えしなくてはならないのは、私の言う治療における栄養素の容量というのは、スーパーマーケットで販売しているような普通のビタミン剤を超える容量です。この実験では1日に15錠、36種類もの栄養素を与えました。したがって市販のものでは、栄養量とその種類の少なさから、同じような結果は得られにくいでしょう。

◆このようにポジティブな結果を出しているのはこの実験だけではありません。私達の大学で行った双極性障害の子供達に対する調査では、微量栄養素によって50%の子供たちの症状を回復させると同時に、投薬の量を減らすことができました。

◆また次の調査では、微量栄養素を使うことでクライストチャーチ地震によるPTSDの有病率を1ヶ月で60%から18%まで下げることができたのです。一年経った後も微量栄養素を摂り入れたグループは摂り入れなかったグループよりも体調が良い状態を保っていたのです。この結果は2013年にカナダのアルバータで起こった洪水の際に行った、カルガリー大学研究者達との共同調査でも同じ結果を得たのでした。

◆私にとってこれらの結果から得るメッセージは明確です。十分に栄養を与えられた肉体や脳は、ストレスに耐えることや、病気から回復する力がより強いということです。適量の微量栄養素を与えることは、効果があり、また高すぎないコストで大きな自然災害によって引き起こされた人々の精神疾患の病状を改善させることができます。

◆私の20年のキャリアにおいて、このような圧倒的な回復を従来の治療方法ではほとんどみたことがありません。微量栄養素によって病気が改善した時、人々はあらゆる面で回復していきます。例えば睡眠の向上、感情の安定、不安の軽減、タバコや薬物、アルコールへの欲求も軽減できます。私のリサーチおよび世界中での調査によると、60〜80%の人々が微量栄養素によって回復しており、これがいかにパワフルな根拠であるかを物語っています。

◆(このスピーチから)過去5年の間に11の免疫学的調査が世界的に分野を超えた広範囲で行われました。それらの調査によって導かれた結果はどれも同じものでした。それは、より賢明な食事、地中海式のような加工の少ない食事を摂ることはうつ病のリスクを下げ、また西洋式の加工度の高い食事を摂ることでうつ病のリスクを上げてしまうという結果です。そのうちたった一つの調査においては食事の質との関連性がとれない結果もありましたが、全ての11の調査において、西洋的な加工度の高い食事が心の健康に良いという結果は一つもありませんでした。

西洋式の食事とはなんでしょうか?それは著しく加工され、圧倒的に精製された穀物、糖質の高い飲み物、持ち帰りの食事、わずかに摂る新鮮な野菜類のことです。一方で健康的な食事は、新鮮なフルーツや野菜、魚やナッツ、健康的な脂質、そして加工度の少ない食品です。(続く)

ジュリア・ラックリッジ教授はカナダのトロント出身の臨床心理学者です。現在はニュージーランドのカンタベリー大学の精神保健栄養研究グループに所属し、ディレクターとして精神医学と栄養学の研究をされています。

彼女の診療過程において、精神疾患の子供たちに彼らのコンディションに最も適した従来の薬物治療をしていたにもかかわらず、十分な回復結果が得られないことに疑問を持ったことがきっかけとなり、特にADHDや双極性障害、不安症、ニュージーランドのカンタベリーで起こった地震に関連したストレス、PTSDなどの精神疾患における微量栄養素の働きについて研究をされてきました。

日本でも精神疾患の患者は年々増加しています。

精神疾患の患者数(医療機関に受診する患者の疾病別内訳

出典:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html

それがなぜなのか、様々な要因があると考えられますが、世界的な傾向と同じく、増加の一途なのです。

オーソモレキュラー栄養療法

次に知ってもらいたいのは、オーソモレキュラー栄養療法についてです。

”オーソモレキュラー栄養療法”とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、あやしい医療法ではありません、最新科学に基づいた栄養療法です。

日本では「食養」という、良い食事で体調を整える、あるいは病気を療養するという考え方がありますが、オーソモレキュラー栄養療法においても、更に科学的に踏み込んだ栄養療法として、食養の考え方の方向性にそったものと考えて過言ではないでしょう。

オーソモレキュラー(orthomolecular)とは、”正しい量の正しい分子”という意味。人体の神秘のほとんどが未解明の今日、まだまだ研究が必要な分野ではありますが、極めて人体の働きの理に叶った医療法であるとの見方があり、精神医療の分野、あるいはアンチエイジングの分野においても研究が進められています。

どのような医療法かを簡単にいうと、脳機能を含めた人体機能を正常に動かすために、不足した栄養素を食事やサプリメントによって十分に補充、血糖値をコントロールして心身の安定を導くという、栄養学の観点から人体の機能を回復させるアプローチを行うものです。

人間は人それぞれ、栄養分子の必要量が異なります。血液検査で人体の栄養状況が分かりますが、人は各々の必要な栄養量を満たしているからこそ、正常に脳機能を動かすことができています。しかし、精神疾患においては、その必要な量の栄養分が満たされておらず、不足するが故に正常に脳機能を動かすことができなくなってしまっている状態と考えられています。

したがって、その不足分を食事やサプリメントで補うことで回復させ、血糖値をコントロールすることで感情を安定させ、また必要の際に高濃度のビタミンCを点滴するという治療を行います。

オーソモレキュラー栄養療法を紹介することで、ここでお伝えしたかったのは、毎日の食事こそが人間の精神のバランスを左右するということ、そして、それが神話や勝手な憶測ではなく、現代の科学的な知見に基づいたものであるということ。更に自分自身の実体験から、これがデタラメではないということです。

だからこそ、多くの人に知ってもらいたい。精神疾患で苦しむ患者さんの中には糖尿病や肥満体型の方も多いと言います。「精神医療の現場に栄養療法も一緒に取り入れること」が常識として定着していくことが望ましいと考えています。

参考ウェブサイト1: オーソモレキュラー栄養医学研究所

オーソモレキュラーの治療法 | 栄養療法~薬だけに頼らない根本治療をめざす、心と身体に優しい治療法。 | オーソモレキュラー栄養医学研究所
オーソモレキュラー栄養療法3つの輪 食事血糖のコントロール、タンパク質摂取の最適化 サプリメント栄養素の補充

参考ウェブサイト2: 一般社団法人 日本オーソモレキュラー医学会(JSOM)

オーソモレキュラー医学会|オーソモレキュラー医学とは
オーソモレキュラー医学会|オーソモレキュラー医学とは

参考ウェブサイト3:たかはしこころのクリニック
(※実際の精神医療従事者による分かりやすい解説でしたのでリンクさせて頂きました。)

オーソモレキュラーについて思うことー(1)ー | たかはしこころのクリニック | ディアコート尼崎クリニックモール3階 | 心療内科・精神科
今回は、私がオーソモレキュラーをどのようにみているのか、お話したいと思います。私自身が栄養療法に出会ったのは、大沢博先生の『食事で治す心の病』(2003)においてです(ということは、医学部生時代ですね)。オーソモレキュラーの第一人者である溝...

どのような食事を心がけるのが良いのか

では、どのような食事を心がけるのが良いのでしょうか?

下記より、わたしの経験を踏まえてまとめた記事をご紹介します。とにかく乱読、学んで行動してみた結果、たどり着いた結論をまとめたものです。

健康的な食生活とは?結局どう食べると健康になれるのか【まとめ】
健康な食生活って言うけれど、情報が多すぎて結局なにを食べていいのか分からない、、どうすればいいんだろう?3年前の私もそうでした。今回は多読・実践して健康な食生活の答えを導き出し、今日健康になれた私の経験をもとに、健康な食事の仕方をまとめました。
【実体験】自炊をすることで健康になる理由!どうして体が不調か分からない方へ
今回は私の実体験から、なぜ自炊をすると健康になるのかをまとめてみました。仕事が忙しい独身の方は特に、自炊しない方も多いかもしれません。私は食事改善の前は非常に辛い思いをしたので、そんな過去の自分に伝える気持ちで書きました(´∀`*)

下記の記事では、わたしが乱読した本の中でもおすすめの本を紹介しています。

食事の健康に関するおすすめ本10選!【人生が変わった】
今回は「健康的な食事について詳しく知りたいけれど、どの本から読むのが良いのかしら?」という方へ、実際に私が読んだ本の中から、おすすめな本を10冊紹介します。

いかがでしたか

【精神疾患は毎日の食事の栄養バランスを整えることで回復させていくことができる】

私自身、最初からこの答えに到達したわけではありません。この答えが出たのは、自分でその結果を出した後でした。是非、参考にしていただけると嬉しいです。

一人でも多くの人が、健康に楽しく過ごせますように!


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